にのだん社会保険労務士事務所

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にのだん社会保険労務士事務所だより「たすき」令和3年9月号(No.22)

【標準報酬月額決定(改定)通知書のご確認を忘れずに】             

健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届または被保険者報酬月額変更届は提出されましたでしょうか?既に提出済みの場合は日本年金機構より標準報酬月額決定(改定)通知書が届いているかと思います。算定基礎届については被保険者が実際に受け取っている報酬と既に決められている標準報酬月額が大きくかけはなれないように、毎年一回標準報酬月額を決めるために提出が必要で適用年月は令和3年9月(定時決定)となります。提出されない場合、保険者決定により従前の標準報酬月額が適用されることとなり保険料の事業主負担や被保険者負担に大きな影響を及ぼすことになりますので未提出の場合は早急に対応して頂く必要があります。また固定的賃金の変動により被保険者報酬月額変更届の提出が必要となった場合、改定年月が令和3年7月~9月に該当するならば、提出はもちろんのこと先にお伝えした算定基礎届提出で令和3年9月適用となる標準報酬月額より月額変更届で決定(随時改定)した令和3年7月~9月改定の標準報酬月額のほうが優先されます。先に算定基礎届を提出して標準報酬月額決定(改定)通知書が届いた場合でも、その後月額変更届を提出し標準報酬月額決定(改定)通知書が届いていれば後者の決定のほうが優先されるので問題ありません。固定的賃金の変動による月額変更届の提出が必要であることに気づかないまま遡って変更届の提出を求められた場合も保険料の事業主負担や被保険者負担に大きな影響を及ぼすことになりますので注意が必要です。いずれにしろ、算定基礎届または月額変更届提出時の内容と決定通知書の標準報酬月額を確認して決定に誤りが発生していないかチェックが重要となります。 

なお原則として保険料は適用月や改定月の翌月末に支払うかたちとなるので、今回の令和3年9月適用の定時決定は翌月10月の給料支払い時に新しい等級による天引きになると思いますが、事業所様によっては翌月の給料で天引きする場合と当月の給料で先取りする場合に方法が分かれているかと思います。どちらが正しいか法律的根拠があるかどうかは実際分からないのですが、日本年金機構のホームページを見ると「毎月の給与から前月分保険料を控除することができる」と記載されていますし、とある健康保険組合のホームページでは「…しなければならない」と記載されているので本来は当月給与で前月分保険料を天引きするのが一般的であると感じます。どちらにしても注意すべきは、保険料率や標準報酬等級が変更された場合、変更後の保険料天引きは何月給与の時か?また退職する時(月の途中または月末退職時)に保険料天引きが必要なのか?または2か月分の社会保険料の天引きが必要なのかなど担当者様が事業所様の事情やルールをしっかり把握して正しく計算することが求められます。

【接客とは・・・を考えさせられた出来事】

私はかつて8年間食品スーパーで勤務していた経験があり、自分なりに「接客とは・・・」というポリシーを持っていました。バックヤードから売場に出るときや店で声をかけられた時は必ず「いらっしゃいませ」と声掛けをし「ありがとう」と言われれば嬉しくて「またお越しください」と言葉のキャッチボールは出来ていたつもりです。しかし退職から15年以上が過ぎ、普段近くのお店に買い物に行った時感じることですが、売場で「いらっしゃいませ」と声を掛けられることはほとんどないですし、レジに清算しに行く時「いらっしゃいませ」と声掛けされないことも結構あります。先日近所のドラックストアへ買い物に行き、レジへ清算しに行くと当然のごとく「いらっしゃいませ」の声掛けはなく「ここの店は昔からこういう接客対応の店」と前々から諦めていたので、それはどうでも良かったのですが、こちらをジロッと見てから怒鳴るように「○○○○○○アプリはお持ちですか~?」と大声で言われたことにとうとう耐えられずレジの責任者とおぼしき人に苦情を言ってしまいました。今回が2回目で前回と同じく非常に不快な気持ちになったことを思い出したのも理由でした。私自身声を荒げてしまったことや48歳にもなってむきになった自分が本当に情けなく、そこまで言うべきでなかったと反省すべき点もありました。しかしその後、対応されたスタッフの方が「あの子いつも苦情言われている」また別のスタッフの方は「接客態度が悪いのは分かっているがレジスタッフが足りないので改善できていない」と言われたことでこのお店の考えている接客とはどういう位置づけなのかがようやく理解できたと感じました。お店には客が理解できない事情があると思います。人手不足の中、人材を確保することの難しさやコロナウイルス感染症が拡大する中で人との接触や声を出すことへのリスクなど私が経験した時代より難しい対応が接客業に求められていることも理解しなければなりません。ですから店側からすれば今できる最善の方法で商売をしているのだからどのような売り方、接客をするかはその店の自由なので私がこうするべきとか自分の経験や尺度で言うべきではなかったかもしれません。ただし接客に失望を感じた私が二度とその店を利用しない考え方も自由です。清算で嫌な思いをするくらいならAIやロボットが対応して「いらっしゃいませ」と言ってくれる店を選びたいものです。

以前近くのスーパーへ買い物に行った時ですが、レジスタッフさんの丁寧な声掛けと同時にレジ袋を買い物かごの商品に優しく置く仕草をしたことがとても嬉しくて「ありがとう」を伝えました。私が店長をしていた時にそれを見かければきっとその店員さんを褒めていたと思います。そんな個々の接客への取組みが集団に行き渡り、それが継続されるならばきっとお客様に感動を与えることができる店になると私は確信できます。かつて経験したことですが昨日今日とたくさん来店されたお客様が近くに競合店ができた途端、しばらくの間閑古鳥となり慌てふためいた苦い思い出がありました。「普段この店は支持されているからお客様がたくさん来るのは当たり前」と思い上がってしまうと、外的要因に加えて内的要因も存在する店であれば、あっと言う間に閉店に追い込まれることもありえます。どんな業界であろうと「接客」は決して疎かにできない目に見えない重要な商品力であると私は感じます。

最後までお読みいただきありがとうございました